涸れずの井戸「池尻稲荷神社」

渋谷から三宿に行く途中、夜でも目立つ提灯の明かり。国道246号線を行く人達には見慣れた風景の池尻稲荷神社です。
この神社は大山道と呼ばれた頃から、この道を歩く人には不可欠な場所でした。
【鎮座地】東京都世田谷区池尻2-34-15
【御祭神】宇迦之御魂神
【社格】村社
【創立】明暦年間
【例祭】9月第3日曜日
【御朱印】あり
【公式サイト】こちら

渋谷から三宿へ向かう途中、ちょうど上目黒氷川神社の手前が「大坂」と呼ばれる結構急な坂になっています。かつて「大山詣」が盛んだった頃には、この坂を下って一息つくところが池尻稲荷神社辺りだった訳です。また、由緒によれば赤坂一ツ木(現在の豊川稲荷付近)から、ここまでの約6km、一里半の行程では飲料水として飲める水がなく、ここで補給が必要だったとされていて、近隣の農民だけではなく大山に向かう旅人たちにも重要な水がここには有ったわけです。

境内社は清姫稲荷神社が御社殿の左隣に建っています。御祭神は白蛇と言われています。由緒にも清姫様については何も触れていないのですが、安珍・清姫伝説に繋がるのでしょうか?

もう一つの境内社は水稲荷神社で手水舎の正面に建っています。公式サイトでは「水神=蛇」とされています。また、一般にも同じように蛇そのものを水神としたり、あるいは神使としていることも多いので、やはり「涸れずの井戸」を持つ神社として相応しい境内社ですね。
また、元々「池尻」という地名は、この付近を流れていた北沢川と烏山川が合流して目黒川になる沼地に位置していたことに由来しています。つまりは水に恵まれた土地と言えますし、近隣の上目黒氷川神社では、目黒川の氾濫に伴っておきる疫病除けというご利益を謳っていますし、このお稲荷さんは「水を恵み」が御利益の元になっているという一種の対称を見せています。


神社は明暦年間に創建されています。当時は常光院という寺があり、その一角に勧進されたものだそうです。寺は既に廃寺になっていますが、神社は残り、現在の御社殿は昭和五年(1930年)に総檜造りで再建されたものとなります。その社殿を護る狐は大正五年に作られたもので社殿よりも古いのものようです。

一応…神楽殿も…です。
【アクセス】
東急田園都市線 池尻大橋駅:徒歩6分
目黒川は桜の名所としても有名ですし、散歩しながら中目黒に向かうのは如何でしょう?
また、三宿も近くちょっとシャレたお茶タイムをお楽しみに参拝するのが吉かと。


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