森を守る「三宿神社」

 世田谷区三宿。美味しいお店が立ち並ぶ一角として知られています。そんな三宿の鎮守様が「三宿神社です」

【鎮座地】東京都世田谷区三宿2-27-6

【御祭神】宇迦能御魂命、毘沙門天(大物主神)

【社格】無社格

【社格】不詳

【例祭】9月23日

【御朱印】なし

 三宿神社の周りには「多聞小学校」など「多聞」を使った施設が多くあります。この周辺の古い地名が「多聞」だったのですね。その三宿神社も元々は「多聞寺」というお寺でした。その為、こちらの御祭神として「毘沙門天」と書かれることが多くありますし、実際に参拝していみると看板に「大物主(毘沙門天)」と書いてあったりします。

 多聞寺が三宿神社になったのは、明治18年(1885年)の事です。多聞寺の毘沙門堂の前に拝殿を置き神社としています。

 ここで悶着が起きます。東京府に神社としての許可を得ようとしたのですが、御祭神を「毘沙門天」としてしまったのです。神仏分離が進む中でも、そもそもは毘沙門天として進行していたのですから、自然なことだったのでしょうが、仏教の四天王を祭神とは認められず、結果として許可は得られませんでした。そこで、大物主命をご祭神とし直し許可を得たそうです。(でも、御神体は毘沙門天のまま。戦災に遭っても、持ち出されて無事に現存しているようです)

鳥居をくぐって階段の手前に手水舎がありますが、枯れています。元々、この手水には湧き水を使っていたそうなのですが、隣に幼稚園を作った時に枯れてしまったそうです…残念です。

そして階段を登ると御社殿です。振り返ってみると多聞の住宅地が広がり、とても良い感じの境内です。また社殿の向こうには木立が並び、中々の雰囲気があるのです。

この木立、実は公園の木立です。

「区立三宿の森緑地」という公園、元は国有地だったようで周囲と同じように開発の対象と考えられたようです。しかし、森・緑を守ろうと住民の運動が巻き起こり、区が買い取る形で公園化されたそうです。中にはビオトープがあったりして、小さいながらも今様の鎮守の森ができています。

いわゆる「三宿」のイメージとは違う雰囲気で、ちょっとのんびりしたい時にはオススメの神社+公園です。

【アクセス】

東急田園都市線 三軒茶屋駅:徒歩14分

東急田園都市線 池尻大橋駅:徒歩17分

他、バスでのルートもありますが、路線(下馬循環など)によってはバスを降りてから歩くことになるので、ご注意を!

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